熟成・のみきり

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8.熟成・のみきり

春3月、生原酒のまま貯蔵しておいた新酒をタンクから引き出し、プレートヒーターと呼ばれる装置で65℃に加熱する「火入れ」が始まります。これは気温が上がると活動を始める微生物や酵素が酒を変質させるのを防ぐ作業。火入れを終えた酒はタンクに戻され熟成のための眠りに就きます。一方、「生酒」として販売される酒は、火入れをしないまま3〜4℃の冷蔵貯蔵庫へ。低温を保つことで微生物や酵素の動きを封じ込める訳です。
「防腐剤を入れるんでしょ」。時おりこんなご質問をいただきますが、防腐剤は一切使いません。日本酒の腐敗を防ぐ方法は、加熱処理か低温貯蔵しかないのです。

毎年初夏に「のみ切り」が行われます。これは、貯蔵タンクの「のみ(酒を出し入れする口)」を開けてサンプルを取り出しきき酒をする行事。この日は杜氏や製造スタッフのほか経営幹部も酒蔵に全員集合。

もともとのみ切りは貯蔵酒の熟成を確認するのが目的ですが、

真澄では前シーズンの反省会と来シーズンへ向けての計画会も兼ねているため、真剣なきき酒と議論が一日中続きます。

大規模なのみ切り以外にも、原酒管理のスタッフの手によって小規模なのみ切りが常に行われ、熟成が最適な状態となった貯蔵酒だけが、ろ過やわり水によるアルコール度数の調整を経て壜詰め工場へと送られます。

取材・絵・文 吉田ますみ

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