1.米選びと精米
真澄は米農家と杜氏の共同作品。
日本酒の原料はもちろん米です。しかし一口に米といっても品種によって個性は様々。どんな米を使うかで酒の味はガラリと変わります。そこで真澄は― (1)酒造り専用米を中心に(2)産地と品種が確かな米だけ(3)新米の玄米で― という鉄則を守って買い付けます。購入量が多いのは長野県産「美山錦」や「ひとごこち」、そして兵庫県社町山国地区の「山田錦」。米粒が大きい、タンパク質の含有量が少ない、発酵中に融けやすいといった特徴を具えた高品質米が真澄の風味を支えています。
米を磨けば酒は美味くなる
玄米を精米して白米にします。米の表面をおおっているタンパク質や脂質を削り取って純粋なデンプン質を取り出すのが精米の目的。酒造りに不必要な成分が少ないほど酒の風味は上品になりますから、精米はとても大切な作業です。すべての米を自社の精米工場で精米するのが真澄のこだわり。
9月下旬から精米工場はフル操業。米を割らないようゆっくりていねいに。精米歩合を40%にするのに50時間もかかる。
米をどれだけ削ったかは「精米歩合」で表します。
例えば精米歩合60%とは玄米重量の40%を削り取ったということ。
「精米歩合の値が小さくなるほど酒の品質と価格が高くなる」という公式を覚えておくと、精米歩合からお酒の品質や価格を推測できます。
ちなみに、「大吟醸」を名乗れるのは50%以下、「吟醸酒」を名乗れるのは 51〜60%の精米歩合の白米を原料にした場合です。

取材・絵・文 吉田ますみ
