新酒の誕生に感謝して(ご挨拶)
真澄を支えて下さる全ての皆様へ
10月3日の仕込み開始から6週間、酒造りの作業は着々と進み、今年も新酒「吟醸あらばしり」の初出荷の日を迎えることができました。
未だ消えぬ震災の爪あと、なかなか常軌に復しない政治や経済、混迷の度合いを増す国際情勢などまさに天変地異のこの時代に、こうして真澄が酒造りを続けられますのも、農家の皆様、資材業者の方々、ご販売店や料飲店の皆様、真澄を長年ご愛飲くださるお客様など、小さな酒蔵を取り巻く多くの方々のご支援があってこそと心から感謝致しております。
創業350年ということで、記念の祝賀会、様々なイベント、セラ真澄の再建などに明け暮れた2012年は正に疲労困憊の日々でした。しかし節目を無事に乗り越えたいと襟を正し、南船北馬を繰り返し、多くの人々と語り合い、先人達の事績を振り返り、現実と理想の落差に悶々としている内に、不思議と社員の気持ちが一つになり、酒蔵の往くべき道も見えて来た気がします。そんな今までとはちょっと異なる空気の中で醸された今年の「吟醸あらばしり」は、一口含んだ瞬間思わず笑みがこぼれる美酒となりました。
造り酒屋にとって新酒の初出荷は、酒神松尾様に神饌をお供えし、軒先の杉玉を架け替え、蔵人と小宴を催して祝う特別な行事。そこでこの機会に改めて、真澄を支えて下さる全ての皆々様のご多幸をお祈りすると共に今後ますますのお引き立てを願って、2012酒造年度初の「吟醸あらばしり」をお届け致します。これからも真澄に変わらぬご愛顧を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
2012年11月吉日
代表取締役社長 宮坂直孝、社員一同