- 春分 (しゅんぶん )
- 2016年03月20日
歩みは遅くても「春がきた」となると一気にスピードアップする山国・信州の春。山野のあちこちに顔を出す野草を摘んで混ぜ込んだ「摘み草味噌」はほろ苦さが嬉しい季節の味。花々が一気に開く遅い春に期待がふくらむ、お彼岸の食卓です。
歩みは遅くても「春がきた」となると一気にスピードアップする山国・信州の春。山野のあちこちに顔を出す野草を摘んで混ぜ込んだ「摘み草味噌」はほろ苦さが嬉しい季節の味。花々が一気に開く遅い春に期待がふくらむ、お彼岸の食卓です。
「ご趣味は?」と問われて「暮しです!」と答える友人がいます。「趣味、暮し」、けだし名言。ことに、「海こそなけれ」豊かな山河、移ろう気象、多彩な食べ物、折々の祭に恵まれて「よろず足らわぬことぞなき」信濃の国では、日々の暮しの中にこそ楽しみや遊びが満ちているのです。江戸の粋でも京の雅でもない山家の風情を、古来より伝わる二十四節気にかこつけてたっぷり堪能しましょうよ。
長野県大町市生まれ。長年SBCテレビ・ラジオやNHKテレビの番組にレギュラー出演するほか、長野県カルチャーセンターの講師も務める。身近な素材と郷土食を大切にしたおしゃれな料理で定評がある。2007年第12回NHK関東甲信越地域放送文化賞を受賞。
著書に『作って楽しむ信州の粉食』『作って楽しむ信州の保存食』『作って楽しむ信州の漬物』『食べて元気になる漢方ごはん』(信濃毎日新聞社)、『おいしい食卓、暮らしを彩る楽しい料理』(SBC)がある。